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執筆者の写真石垣わか

農地転用許可申請(基礎編)

更新日:2022年11月24日

いつか依頼されるかも、と思ってちょうど勉強中に農地転用の5条許可申請のご依頼をいただきました。これから対応するにあたり、調べた内容をまとめていきたいと思います。


※この記事は2022年10月22日時点の情報で執筆しています。

 
農地法はなんのためにあるのか。

農地法 第1条に「目的」が書かれています。かなりざっくり言うと、「この法律は、大切な農地を守るために作ったよ!」というところでしょうか。農地を農地以外にしたいときは勝手に行ってはならず、許可を得たり届出をする必要があります。違反すると、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処せられます(農地法64条)。

農地法第一条(目的)
この法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ、農地を農地以外のものにすることを規制するとともに、農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し、及び農地の利用関係を調整し、並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り、もつて国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする。

農地転用の4条とか5条ってなんのこと?

余談ですが、私が行政書士になってすぐの頃、先輩2人が「農転の4条の時は」とか「5条だったら」みたいに話しているのを聞いて、「2人とも条文全部覚えてるんだ。すごー!」と勝手に驚愕してました。(農地法の条文を全部覚えて会話してると思ってた。)


実際に私たち行政書士に依頼があるのは、農地法3条、4条、5条の「所有権の移転」「農地以外に転用」の申請や届出が必要な場合のようなので、条文を全部覚える必要はなさそうです。笑


●農地法3条許可

農地の所有権を移動したい時に必要な許可。

例)他人から農地を買いたい。買ってからも農地として使う。

第三条(農地又は採草放牧地の権利移動の制限)
農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。

●農地法4条許可

所有権は自分のままだけど、農地を農地以外にしたい時に必要な許可。

例)親から相続した農地に住宅を建設したい。

第四条(農地の転用の制限)
農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という。)の区域内にあつては、指定市町村の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。

●農地法5条許可

所有権の移転と併せて、農地や採草放牧地を農地以外にしたい時に必要な許可。

例)他人から農地を買って、店舗を建設したい。

第五条(農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限)
農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。

まずは農業委員会に相談に行ってきます。

来週あたりに農業委員会に相談に行く予定です。相談に行く時に持って行こうと思っている書類たちは次のもの。


・土地の登記事項全部証明書(法務局で取得)

・公図(法務局で取得)

・地積測量図(法務局で取得)

・地図(Googleマップ印刷)

・固定資産証明書(市役所で取得)

・航空写真(市役所で取得)

・土地の売買契約書(依頼人からお預かり)

・土地の現在の状況がわかる写真(自分で撮影)

・事業計画を説明できるようにしておく


※他に持って行った方が良いものがあれば、ぜひコメントください。


こちらの書籍がとても丁寧でわかりやすいです。

著者は行政書士の若子昭一先生です。農地転用の基礎知識、相談の仕方、手続きの方法や流れが具体的に書かれていて、とてもわかりやすいです。私はもう付箋だらけにして勉強させて頂いております。おすすめです。

 

農地転用の勉強をしていると、「都市計画区域」や、「市街化区域」「市街化調整区域」って言葉が出てきて、行政法の過去問でそんなの出てきたなーと、少し懐かしく感じました。「青地」「白地」や、農地にランクがあることなど今回初めて知ることも多く、そこに相続が絡んでいるとまたややこしかったり、なかなか大変そうです。


実際に農業委員会に相談・申請してみた結果は、また今度可能な範囲で共有しますね!


行政書士 法務事務所とらねこ

石垣 わか


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